クラフトビールツーリズム カリフォルニア riip beer co (リープビア)

カリフォルニア ロスアンゼルスより南に位置するハンティントンビーチは、ロサンゼルス国際空港(LAX)から車でおよそ1時間弱。1年を通して気候も良く、ビーチも広くて波もいいことから夏にはサーフィンの大会「US Open of Surfing」の開催場所になるなどサーフィンのメッカとして知られ、国内外から多くの観光客が訪れます。このハンティントンビーチ周辺はその真ん中を走るパシフィックコーストハイウェイ沿いにホテルやレストラン、モールなどが集まって形成されており、バスや徒歩で楽しむことができるエリアです。

パシフィックコーストハイウェイはカリフォルニアの北部にあるサンフランシスコからカリフォルニア南部のメキシコとの国境手前の都市サンディエゴまでを結ぶ太平洋沿いを走るカリフォルニアの州道で、まさにアメリカ西海岸を象徴するかのような景色が続きますが、ハンティントンビーチからディナポイントにかけてがロサンゼルス以南のハイライトと言えるほど、魅力あるビーチや街が続いています。

そのパシフィックコーストハイウェイがロサンゼルスの南、トーランスから一度街中へ入り、再び海沿いへと出るのがハンティントンビーチの手前あたりから。riip beer coはパシフィックコーストハイウェイが海沿いへと出てきた直後、ボルサチカ湿地帯近くにあるショッピングエリアの一角にあります。

riip beer co
住所:17214 Pacific Coast Hwy, Huntington Beach, CA

ここに訪れたのは2018年8月。日本と違いカラッとしたカリフォルニアの夏、ちょうどこの日の午前中はボルサチカ湿地帯で植物への水やりのボランティアに参加していました。夏の日中は植物はもちろんですが、人間も喉が乾きます。たまたま近くにブルワリーがあることを知って歩いて向かいました。アメリカで体験した他のブルワリーと同じく、このブルワリーも日中からオープンしており、さほど広くない店内にはその場で飲む人、缶に入れて持ち帰る人、グラウラーで出来たてのクラフトビールを持ち帰る人など、ひっきりなしに人が訪れていました。

ブルワリーへと入るとすぐ目につくのが、カウンターの後ろの壁に掲げられたメニューボード。さすがサーフィンカルチャーが根付く街、ハンティントンビーチだけあって、同じヨコノリスポーツのスケートボード1枚1枚にメニューが記されているのはとてもインパクトがあります。また、店舗内の壁面には色々なステッカーがド派手に貼られており、やはりどこかストリートな雰囲気を感じますが、来店するのは純粋なビール好きたちで、とくにサーファーやスケーターだけといった印象ではありません。

このriip beer coでは、クラフトビールをオーダー後カウンター近くに座り、続々入ってくるお客さんと、バーカウンターでオーダーを受けてタップからグラスにクラフトビールを注ぐ店員さんのことをぼーっと眺めながら飲んでいました。ここで初めて意識したのがグラスリンサー。タップルームが併設されているブルワリーでは多く目にしますが、グラスリンサーとはグラスを洗浄する機械で、タップ近くやカウンター内のシンク近くについているのが一般的。クラフトビールを注文すると、タップからビールを注ぐ直前にこのグラスリンサーにグラスをのせ、シューっと水で内部を洗浄してからクラフトビールを注ぎます。

一般にグラスリンサーの利用には3つほど利点があると言われています。1) 洗剤のこりや汚れを取り除くため。2) グラスの温度を下げるため。3) グラス内部が濡れている方がビールを上手に注げるため。

お客さんのオーダーから、グラスを取ってから手際よくグラスリンサーでグラスを洗浄し、タップからビールを注ぐ。ブルワリーでは当たり前な光景ですが、ブルワリーというカルチャーに興味を持ち始めていたことで、クラフトビールを味わう以外の体験として、このriip beer coでのメニューボードやクラフトビールを注ぐという行為が印象に残っています。

このriip beerで帰りに手にしたのはブルワリーオリジナルグラス。ビール缶のような形をしたこのグラス、表にはriipのロゴが入っていますが、裏はやはりのこの場所の象徴でもあるパシヒックコーストハイウェイをドライブするイメージのイラストが描かれていました。

riip beer co(リープビア) ハンティントンビーチを起点としたクラフトビールツーリズム - 周辺観光
riip beer coの住所は「ハンティントンビーチ」となっていますが、サーフィン大会が行われるハンティントン「ビーチ」からはパシフィックコーストハイウェイで北上し車でおよそ15分、バスでは20分ほど離れた場所にあります。美しい海岸線を走るその間にも、ドッグビーチ、ボルサチカ ステートビーチなど多くのビーチがあり、この街自体がビーチを楽しむ場所なんだということをこと改めた感じさせてくれますが、やはり観光客が多く集まるのは、そこを中心にホテルや飲食店、ショッピングエリアが多く形成されるハンティントンビーチのダウンタウンエリアです。

ハンティントンビーチの桟橋を中心として、パシフィックコーストハイウェイ沿いの数ブロックと交差点を越えたメインストリート沿いが街をなしており、パシフィックシティという大型モール、ハイアットリージェンシーをはじめとしたホテル、衣料品店、サーフショップ、飲食店などが集まっています。

メインストリート沿いでは毎週火曜日にファーマーズマーケットが開かれ、農作物以外にも雑貨、アートなどを販売するテントを多く見ることができます。メインストリートが歩行者天国となりバンド演奏などもあり、規模は小さいながらアメリカのマーケットを体験できます。

ハンティントンビーチのホテルに宿泊している場合は、そこから車で40分ほどでカリフォルニア ディズニーランドパークへとアクセスできます。またディズニーランドパークと同じアナハイムにあるのが、メジャーリーガー大谷翔平選手の所属するエンゼルスの本拠地 エンゼルスタジアム。こちらもおよそ車で40分のところにあります。

ハンティントンビーチをパシフィックコーストハイウェイ沿いにさらに南下すると、ハンティントンビーチと同じく街を形成するニューポートビーチ、ラグナビーチといったアメリカでもメジャーなビーチが数多くあります。2000年代に日本でもヒットした海外ドラマ「OC」はニューポートビーチを舞台としており、今でもドラマのオープニングシーンで見たような風景を目にすることができます。

ロサンゼルスからは車がないとなかなか行きにくい場所ではありますが、ディズニーランドパーク旅行への拠点として、ハンティントンビーチのホテルに宿泊してみるのはいかがでしょうか?