クラフトビールツーリズム 東京都杉並区 AND BEER

東京 高円寺はJR中央線の中野駅と阿佐ヶ谷駅に挟まれた駅で、土日は中央線快速が停車しないため総武線の利用が求められるなど、ややアクセスに難がありますが、ライブハウスや古着屋など個性的な文化発信拠点として昔から人が多く集まるエリアです。この高円寺駅から阿佐ヶ谷駅に向かうガード下とその周辺は昔ながらの居酒屋に加え、比較的新しめで個性的な飲食店が多く軒を並べ、のんべえも多く惹きつけています。高円寺駅側からゆっくりと7−8分ほど歩き、阿佐ヶ谷駅までもう半分くらい来たかな、というところに現れるビッグ・エーというスーパーを突き当たりに見て右側の高円寺アパートメントの1階にアンドビール(AND BEER)があります。

アンドビール(AND BEER)
住所:東京都杉並区高円寺北4-2-24

元々は国鉄の社宅だった建物をリニューアルしたという高円寺アパートメントは、店舗やアトリエ、住宅などが混在し、また広い庭では様々なイベントが催されるなど、この建物を中心とした文化の発信が積極的に行われているそう。その玄関口的な場所でもある105号室に入居するAND BEERは、高架を走る中央線からも見える場所にあります。

訪れたのは金曜日の夜。周囲は住宅街で、高円寺アパートメントそのものが住居を兼ねているというだけあって、商業ビルとは異なり派手な照明を纏うなどせず、建物そのものや辺りは決して煌びやかではないのですが、それが故にこちらのブルーパブの雰囲気が少し離れたところからもよく見て取れるようになっていました。

引き戸を開けると、まず鼻を刺激したのがスパイスの香り。「クラフトビールとスパイスカレー」とサイト上にも謳っている通り、まずは後者が来訪者を迎えてくれるようでした。室内の温度もどことなく高いようでした。

いわゆるバーのものよりも少々低めなカウンターが5−6席にテーブル席が数組で構成された店内は決して広くはないのですが、高円寺駅からここに来るまでのガード下で同等かそれよりもこじんまりとした飲み屋さんを散々目にしてきたので気になりません。訪れたこの日はクラフトビールには縁遠そうな幼稚園児くらいの女の子がお母さんと一緒にカウンターでカレーを食べていたのを見ると、ブルーパブというよりも地元の食堂的な一面を持っているのだと感じました。

いつものようにカウンター席に座り、目の前に置いてあったメニューを目にすると、この日はゲストビールも含めて8種のビールが飲めるようでした。ここまで丁寧にメニューにあれこれ書かれてあり、「XXとのコラボ」とか限定感があると悩んでしまうのですが、まず頼んだのはWest Coast IPAとなっていた「MOSAIC IPA」のパイント。

一人分あけて同じくカウンター座っていたサラリーマン風の男性がメニューとにらめっこしながら、矢継ぎ早にクラフトビールをオーダーしていましたが、先ほど「地元の食堂」という表現をしたように、来ている方々の8割はお食事を目当てにしている様子です。とはいえ、暑かったせいもあって1杯目をあっという間に飲み干したので、メニューとにらめっこした結果、続いてMotueka Saisonをハーフパイントでオーダー。

こちらのアンドビールではここ高円寺と山梨県でクラフトビールを醸造しているとのこと。山梨県は勝沼ということで葡萄の名産地でもありワイナリーが多く存在する場所。そう言った場所柄を活かし、木樽熟成ビールにチャレンジしているということに強く惹かれ、是非そちらにも足を運びたいと感じました。