クラフトビールツーリズム 静岡県 反射炉ビヤ
東名高速の沼津インターチェンジから30分ほど、伊豆の国市にある韮山反射炉は2015年に「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録をされました。この「明治日本の産業革命遺産」は日本各地8箇所にまたがって構成され、うち6つが西日本と九州にかけて存在するのですが、東側2箇所のうちの一つが、ここ静岡県伊豆の国市の韮山反射炉、となっています。
この世界遺産 韮山反射炉に隣接するのが反射炉ビヤです。
反射炉ビヤ
住所:静岡県伊豆の国市中272−1
伊豆半島の北部に位置する伊豆の国市のちょうど真ん中あたりに位置する韮山反射炉は、深い緑の山間にニョキっと4本の煙突をのぞかせています。今でこそ周辺には住宅が立ち並び、車を5分も走らせば伊豆長岡駅と生活に便利な土地となっていますが、竣工した幕末の時代を想像しても小高い山を背景にした佇まいは今とさほど変わらなかったのではと想像できます。
この韮山反射炉の脇を流れる古川を挟んだ向かいに立つのは、地元の名産品などが並ぶ反射炉物産館とレストラン「ほむら」、そして反射炉ビアの醸造所。運営する蔵屋鳴沢は大正時代より韮山反射炉で土産物屋を営み、その後お茶の製造やレストランを展開。クラフトビールの醸造は1994年に改正された酒税法の影響で小規模事業者がビール醸造が可能になった直後の1997年に着手、現在に至っています。
反射炉とホップ(そして反射炉だけに炎?)をモチーフにした反射炉ビアのロゴを掲げた建物がいかにも醸造所な感じがするのですが、残念ながらブルワリーの見学や試飲はできないようです。その代わり隣接するビアレストラン「ほむら」で反射炉ビアを飲むことができます。また反射炉物産館には瓶詰めのクラフトビールやTシャツ、トートバッグやグラスなどの反射炉ビアの関連グッズを買うことが可能です。
反射炉ビアのクラフトビールは韮山や伊豆地域に馴染みのある頼朝(ブラウンポーター)、早雲(アメリカンペールエール)など戦国時代の名将を冠するものを定番とし、限定ビールやコラボビールを幅広く提供しています。2022年夏の時点では、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で小栗旬の演じる主人公、義時の名をつけたHoppy Pilsを醸造。常時、数種の限定、コラボビールを用意しているようで、行く時どきで楽しめるようです。
反射炉ビア 伊豆の国市を起点としたクラフトビールツーリズム
伊豆半島北部〜中部にかけては実はクラフトビールのブルワリーが多い地域。韮山から南に位置する修善寺の狩野川沿いにはベアードビール、北東方面に車で30分弱のところには風の谷のビール、同じく西に30分程度のところには沼津クラフト、そして山をこえて太平洋側に1時間弱のところには伊豆高原ビール。車での移動が必須になるため、飲んでしまうとハシゴは難しくなりますが、2-3箇所であれば観光地として巡るにちょうど良い距離です。
韮山反射炉から車で5分のところには重要文化財 江川邸があります。江戸時代にはこの江川邸敷地内に韮山代官役所があり韮山役所跡は国指定史跡となっています。またこの江川邸へのアクセスに利用する伊豆箱根鉄道駿豆線の韮山駅までは車で5分程度、駅前には「鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館」が設置され(2022年時点)、盛り上げに一役買っています。