クラフトビールツーリズム 福岡県ブルーマスター (The Brewmaster)

福岡天神エリアから地下鉄で10分ほど、福岡市のちょうど中央あたりに位置する別府(べふ)駅から六本松駅方面に向かう別府橋通り沿い(厳密には途中で高架する別府橋通りと並行した道沿い)にクラフトビール醸造所、The Brewmaster(ブルーマスター )があります。サイトによると開業は2002年とのことで、20年の歴史を持つこの老舗のクラフトビールのブルワリーは、12時オープンで17時半にはラストオーダーになるということで、夕飯時を避けオープン間もない12時過ぎにお伺いをしました。

The Brewmaster(ブルーマスター
住所:福岡県福岡市城南区別府1-19-1

黒い壁をしたビルに赤茶のドア、その上にかかる白い看板。高架になっている道路からも見えるよう、ビル屋上に掲げられた看板にクラフトビールの瓶が並んでいることで、ようやくここがクラフトビールの醸造所とわかりますが、一見するとオーダーメードスーツを扱うテーラーのよう。白い看板はどこか野球チームのロゴのような雰囲気もあります。

店内に入ると正面のガラス向こうが醸造所になっており、飲食可能なバー(パブエリア)よりも醸造エリアの方が広い印象です。まだオープン間もない時間帯とあってお客は自分だけ。ガラス越しに醸造タンクが見える窓際のカウンターテーブルに席を取り、入口に掲げらたメニューから「かぼす&ハニー」をオーダーしました。お昼がまだだったので何か食べようかと思ったものの、あいにくフードメニューは枝豆とピーナッツのみということで今回は断念。ソフトドリンクも置いてあるところを見ると家族連れも多いのかな、と想像ができます。

出てきた樽生「かぼす&ハニー」は日本のピルスナータイプのビールよりも少し淡い黄金色がかった印象。アメリカのブルワリーで飲むビールは「泡無し」が圧倒的に多いですが、こちらは日本のビールスタイルで泡がこんもり。ハニーとあるだけあって口をつけると蜂蜜ほのかな甘さが香ります。

お店の方に断って店内の写真も撮らせていただきました。クラフトビールの世界でないとなかなか見る機会のない醸造樽を目の当前にしてお酒が飲めるというブルーパブスタイルは、まさに出来立てを味わえる、という感覚から好きな人にはたまりません。

また、店内に掲げられた「THE BREWMASTER STOREHOUSE」はブルーマスターが提供する新業態で、ららぽーと福岡に設けられたセレクトリカーショップとのこと。ブルマスターが醸造するビールに限らず様々な「クラフト」リカーを取り扱い、“うまい酒とその地域のお料理”を展開する「酒ツーリズム」を推進する、というコンセプトはクラフトビールツーリズムとも通ずるものを感じます。

今回は「かぼす&ハニー」をこの場でいただき、さらに同じくフルーツエールの「あまおうノーブルスイート」、フラッグシップビールのペールエール「ブルーマスター 藩祖官兵衛ラベル」をお土産として購入しました。

ブルーマスター (福岡市)を起点とするクラフトビールツーリズム

ブルマスターの最寄駅は福岡市地下鉄 七隈線の別府駅。この別府駅から天神方面の電車に乗って薬院大通駅で下車後、10分ほど歩き周囲にデパートやブランド店が集まる大名エリアにあるのがエルボラーチョというメキシコ料理屋さん。ここでも「Fukuoka Craft」というエルボラーチョオリジナルのクラフトビールと、ゲストビールとして日本全国の様々なクラフトビールをon tapで飲むことができます。

さらにこのエルボラーチョから徒歩10分ほどの天神駅へ向かい、福岡市地下鉄の空港線で一駅の中洲川端駅に直結するホテルオークラ福岡のビアレストランオークラブルワリーでは、「博多ドラフト」というオリジナルのクラフトビールを飲むことが可能で、さらに中洲川端駅の反対側、徒歩数分のところには2022年にあおぞらブルワリーがオープンしたばかり。この中洲川端駅から箱崎線で2駅行った千代県庁前駅から徒歩5分程度のところには、あすなろブルワリーというブルワリーもあります。公共交通機関を使い約30分圏内に5箇所もクラフトビールを提供するブルワリーがある福岡はまさにクラフトビールツーリズムにぴったりな街。このエリアから少し離れますが、同じ福岡市内には先にご紹介した杉能舎もあります。

ブルワリーと言っても扱うクラフトビールはもちろん、その個性はブルワリーで様々。流石に1日に4軒も5軒も行くと酔っ払ってしまいそうですが、数日にわけて滞在できるのであれば、気になるブルワリーを目掛けて訪問する、または昼・夜で数時間ずつ何箇所か訪れるというのも楽しいかもしれません。