クラフトビールツーリズム - 京都府京都市伏見区 家守堂
大阪と京都を結ぶ京阪電鉄。その特急停車駅でもある中書島駅は、駅こそ大きいものの、駅の周辺は意外なほどこじんまりとしており、北口をでると、すぐに飲食店が軒を連ねる古い街並みが目に入ってきました。高いビルもなく、酒どころの伏見とあってか、個人経営と思しきこぢんまりとした雰囲気のスナックのようなお店や飲み屋さんがやたらと目につきます。
どちらかという日本酒の街であるこの伏見に、この日はクラフトビールを飲みにきました。
家守堂(YAMORIDO)
住所:京都府京都市伏見区中油掛町108
日本有数の酒どころとして知られる京都・伏見。日本酒の歴史が深く根付くこの街で、今回訪れたのは、伏見の街並みに溶け込むレトロな古民家をリノベーションしたブルワリー、「家守堂(やもりどう)」。

歴史情緒あふれる伏見エリアは、その名が示す通りかつて宿場町として栄え、多くの歴史的建造物が残る場所です。駅から歩くこと10分ほど、住宅街のを抜けて小規模な商店が目に入り出した頃、築150年以上という京町家をリノベーションした家守堂の外観に引き込まれてしまいました。
もともとは明治期から続く日本茶の専門店「安本茶舗」の店舗兼住居だったそうで、今でも茶舗としての営業は近くで続けられているといいます。その店舗を引き継ぐ形で、クラフトビールパブと併設のマイクロブルワリー「家守酒造」が同居するブルーパブに生まれ変わったのだとか。全国各地のブルワリーの工場や店舗を手掛けてきた「ラフ・インターナショナル」が運営していると聞いて、なるほど、この空間づくりへのこだわりにも納得がいきました。

店内に入ると、歴史ある梁や建具と、モダンな醸造設備が見事に調和しており、どこか懐かしくも新しい空間が広がっています。1階には注文カウンターのあるバーエリアと奥にハイテーブルが、2階はキッチンとカウンター、そしてテーブル席といった構造になっており、1階も2階も梁と天井がむきだしになっていながらダークブラウンで統一されており、白をベースとした壁色とのコントラストが、まるで和と洋、あるいは、古きと新しきの対比といったような雰囲気をもたらしていました。

2階は大きな窓と天窓のおかげもあってかなり明るい雰囲気で、昼間に訪れれば町家の梁越しに差し込む自然光が心地よく、夜になるとまた違った落ち着いた表情を見せてくれそうです。
メニューに目をやると「茶かぶき(宇治茶とユズを使用した、季節を感じる繊細な味わい)」や「ちりん(KYOTO NUDE BREWERYとのコラボで、クロモジの香りが爽やか)」といった、京都らしいネーミングと素材が込められたビールが並びます。


この日オーダーしたのは"ななみん"というJucy IPAと”ミナミカゼ”というエクストラペールエール。


フードもビールとの相性を意識したメニューが並び、京都産野菜を使ったプレートや、クラフトビールで牛すね肉を煮込んだシチューなど、単なるおつまみに留まらない充実ぶり。明らかにクラフトビールがお目当てなのは自分くらいで、多くのお客が料理を楽しんでいるようでした。

家守堂 京都府京都市伏見区を起点にしたクラフトビールツーリズム
夏の京都、さぞ外国人が多いだろうと想像をしていたものの、店内は地元の常連らしき方が中心で、観光地然とした喧騒とは無縁の、どこか静かで落ち着いた空気が流れていました。伏見=日本酒処、というだけで海外観光客が押し寄せてきそうなイメージを持っていましたが、見かけた外国人は数えられるほど。近隣の観光名所でもある寺田屋は、確かに幕末の歴史を知る日本人向けということもあるのでしょうか。
この家守堂から徒歩で1分程度、同じブロックには日本酒メーカーの黄桜カッパカントリーがあります。日本酒メーカーとしての知名度が圧倒的に高いですが、実は京都麦酒とのブランドでクラフトビールも作っており、店頭でクラフトビールを飲むことができるようになっています。
